2007年09月27日
金星の日面通過の研究
2004年6月8日の金星の日面通過。
ドイツのイェーナにて。金星の日面通過(きんせいのにちめんつうか、Transit of Venus)とは、金星が地球と太陽のちょうど間に入る天文現象である。地球から見ると、金星が太陽面を黒い円形のシルエットとして通過していくように見える。
金星の日面通過は最近では2004年6月8日に起こった。次回は2012年6月6日に起こる。
日面通過の経過
2004年6月8日17時28分、長崎市内にて。日面通過の間、金星は太陽の表面を東から西へ動いていく小さな黒い円盤のように見える。天体が太陽の手前を通過し、それによって太陽の一部が隠されるという点で日食と似ている。しかし、日食において太陽を隠す月の視直径(地球から見た見かけの直径)が約30分とほぼ太陽と等しいのに対し、日面通過時の金星の視直径は約1分と太陽のおよそ30分の1しかない。金星は直径が月の約4倍もあるにも関わらず、視直径がこのように小さいのは、日面通過時の金星は地球からの距離が約4100万kmであり、月(地球から約38万km)の100倍以上も遠くにあるためである。
日面通過の開始前、金星は太陽の東側から太陽に徐々に接近してくる。しかしこの時には、金星は夜側の面を地球に向けているため、見ることはできない。続いて金星が太陽面に接触する。この瞬間を「第1接触」という。さらに、金星が太陽面の内側に入り込み、金星が完全に太陽面上にのった瞬間を「第2接触」という。第1接触から第2接触までは約20分かかる。その後金星は太陽面上を西へ移動していく。金星が太陽面の中心に最も近づいたときを「食の最大」という。さらに金星は太陽面上を西に進み、太陽の反対側の縁に到達する。この瞬間を「第3接触」という。第2接触から第3接触までにかかる時間は、金星が太陽面の中心にどれだけ近い部分を通過するかで大きく変わるが、2004年と2012年の金星の日面通過では約6時間である。さらに金星が西へ進み、完全に太陽面から離れた瞬間を「第4接触」という。第3接触から第4接触までは約20分である。このように長い時間がかかる現象であるため、日の出前にすでに日面通過が始まっていたり、日没時にまだ日面通過の途中である場合があり、全過程を観測できる観測地は限られる。2004年の日面通過においては中央アジアからヨーロッパで全過程の観測が可能であった。2012年の日面通過ではハワイから東アジアで全過程の観測が可能である。
第2接触の直後と第3接触の直前に、金星の形が円形からずれて、太陽の縁から滴り落ちる水滴のような形となり、しばらく太陽の縁にくっついた状態が数十秒間続く現象が知られている。これはブラックドロップ現象と呼ばれる。この現象のため、第2接触と第3接触の正確な時刻を測定するのは困難である。
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